2008年08月19日

メープルシュガーとシナモンティー(1)

私の名前は「佐藤かえで」少し背の低い彼は「茶川鉄郎」

そのころはやっていたアニメのせいで「鉄郎とメープル」と呼ばれていたっけ

あの頃はみんな同じ列車に乗って、同じ星座を眺めていたけれど

気が付くと銀河鉄道の乗客は私ひとり

みんなどこで降りたのかしら

それとも私だけ駅を間違えたのかしら

私たちが目指していた星は

ベテルギウスだったかビートルジュースだったか

とにかくそんな名前だったわ

2008年08月26日

茶川鉄郎

僕の名前は「茶川鉄郎」デザイン学部メディアアート学科の2年

僕の通っている美大は坂の上にある

金持ちの連中は家から車で通ってくるが

僕はすぐ近くの安下宿から毎日歩き

人生の格差はすでにこの坂を上るところから始まってるのさ

佐藤かえで

私の父は奈良のほうで半導体工場のメンテナンスをやっていた。
一度父の職場に行ったら、みんな白い服をすっぽりかぶっていたのでどれが父かわからなかったっけ。でも一人だけマスクの奥の目が笑っていた。

その時、父が顕微鏡で半導体ってやつを見せてくれたけれど
「銀河鉄道から見たどこかの街の景色みたいだろ」と言ってたのを覚えている。
たしかに機械だけでできている惑星はこんな風だろうな。

その父が言っていた
「月に一度機械をすべて分解してまた組み立てるのだけど、いつも1個だけネジが余ってしまうんだよ。不思議だよ」

今の私はそのネジだと思った。その中に包まれている時には気づかないけれど、後からでは二度と戻れない、時や、場所が、あるのだと。確かにその場所に居たはずなのに、決して戻ることはできず、でも、そのネジが1個なくてもすべて何でもないんだと。

そう思ったら少し涙が出た。でも大丈夫。
昔から「かえでの涙は甘い」と言われていたんだ。
私はメープルシュガーなんだから、決して人生を苦くしょっぱくはしない。

メープルヘ

メープルへ

僕は今とても悩んでいます。

美大に入ったのは、メディアアートのコースだけ実技試験が無かったからで、とくべつ美術が好きなわけでもなく、「ポリリズム同好会」で君を見てから、学校に来てるのは君に会うためであって、勉強のためじゃなくなってます。

君が一生けんめい、課題の絵を仕上げている姿を見て、すてきだと思う反面、自分自身を振り返ると、何のために今を過ごしているのかが、とても不安です。

君にふさわしい自分になりたいと思うけど、自信がありません。とても自身がありません。

今日も色々なことを考えたまま、朝になってしまいました。

僕はだめな人間かもしれません。結局、色々な事から逃げてるだけなんです。